まもなく震災発生から4週間。
取り上げる話題としては情緒的と言われるかもしれませんが、
「弱ったミカン」についてご報告します。
この間、私の食生活はほとんど誰かからの差し入れでした。
当初はミカンなど見ることもありませんでしたが、
2週目くらいから目に入るようになり、
私も七尾の知人から4箱いただいて、配ることができました。
私の家へも分けてくださる方がいて、ありがたく頂戴しています。
その中のいくつかは萎びていたり、腐りかかっていたり。
それを見たときに、このミカンは何人の手を経てきたのだろうかと考えました。
能登の人たちは、自分の手元に残すよりは人に差し上げるのです。
誰かにもらったものを、また誰かに差し上げて、
そしてついには萎びたり、腐ったり。
いったい何人の「ありがとう」をその身に浴びてきたのでしょうか。
都会暮らしの長かった私には能登の人たちの心根が愛おしいと感じるのです。
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